症状

変形性股関節症

変形性股関節症とは?

変形性関節症は関節軟骨をはじめとする関節を構成する組織が退行性に変化している疾患のことを言います。
基本的には、関節軟骨の変性・破壊とそれに続く変化としての軟骨下骨の変性があります。
変形性関節症は多くの原因がある疾患で、加齢・肥満・性別・遺伝子的な要素と、怪我や関節の不安定性、全身姿勢から影響するメカニカルストレスのような要因が関係しております。

変形性関節症はすべての関節に起こりうる疾患ですが、なかでも股関節に発症したものを変形性股関節症といいます。

股関節の機能を評価するスコアとして、国際的に最も普及している、Harris Hip Scoreがあります。
痛みの程度、機能、変形、可動域を評価するもので、0点に近いほど股関節の機能が悪いという評価になります。

なぜ変形してしまうのか?

・骨頭骨端の発育不全
・臼蓋形成不全
・大腿骨頭の上外側移動
・関節唇の不整形
・関節包靭帯の弛緩
など、変形をもたらす要因はたくさんあるのですが、最もおおいのは臼蓋形成不全といって、大腿骨頭を覆ている天井の部分(骨盤)が小さい場合に変形性股関節症になりやすいです。
股関節の骨の形状をテストする際に、CE角というものがあります。平均値が30度で少なくとも25度以上でなくてはならないのですが、遺伝的にこの角度が少ない場合があります。
角度が少ない場合は、大腿骨頭の覆いが十分でなくなり、骨頭側の支える面積が小さくなるので、単位当たりの負荷が増えてしまいます。

体重も原因になる?

股関節への負担を考えるときに、まず体重、肥満などを考えることが多いです。
たしかに体重の増加、肥満が変形性股関節症の発症因子であることは事実ですが、それよりも股関節の関節内圧を調節することの方が大切です。

関節内圧というのは、大腿骨頭を骨盤の関節の部分に引き付ける力のことです。
この関節内圧が増加していると変形性股関節を引き起こす因子になってしまいます。具体的には股関節の筋肉・靭帯が硬くなって放っておると関節内圧が増えてしまいます。

その他、股関節を無理に使いすぎるスポーツや仕事での酷使、転んだ際にお尻を打ち付けるしりもち外傷などを放っておくと関節内圧が過剰にかかってしまいますので、マッサージやストレッチなどの処置が必要となります。

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