症状

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは?

変形性関節症は関節軟骨をはじめとする関節を構成する組織が退行性に変化している疾患のことを言います。
基本的には、関節軟骨の変性・破壊とそれに続く変化としての軟骨下骨の変性があります。
変形性関節症は多くの原因がある疾患で、加齢・肥満・性別・遺伝子的な要素と、怪我や関節の不安定性、全身姿勢から影響するメカニカルストレスのような要因が関係しております。

変形性関節症はすべての関節に起こりうる疾患ですが、なかでも膝関節に発症する確率が高く、その場合を変形性膝関節症といいます。
男性よりも、女性に多いのが特徴的で、80歳以上の女性では約80%の方が罹患していると想定されています。

一般的な診断法として、レントゲン画像が用いられており、関節軟骨の菲薄化や消失、関節裂隙の狭小化が認められます。

Kellgren-Lawrenceの分類
グレード0:大腿骨と脛骨の関節の隙間が十分にある正常な状態。
グレード1:骨棘のほか、関節液が骨に侵入・溶解され骨に穴が空く骨嚢胞、骨が異常に固くなる硬化を認める。
グレード2:関節の隙間が狭くなっているが、正常の2分の1以上の隙間が残っている状態。
グレード3:関節の隙間がさらに狭くなり、正常の2分の1以下になっている。
グレード4:関節の隙間が消え、大腿骨が内側に傾くなど大腿骨と脛骨のずれがみられます。骨棘の形成。

こんな症状ありませんか?

初期には、関節の軽い疼痛やこわばりが症状として現れることが多いです。
通常は、立ち上がりや、しゃがみ込むなどの運動時における関節に負荷をかけることによって痛みが生じ、安政によって痛みが軽減・消失します。
また動き始めは痛みが生じやすいのですが、動き始めると次第に軽快することもあります。
疾患が進行すると、運動時の痛み・体重をかけた際の痛みの増大やキシキシといった轢音、安静にしていてもなかなか痛みが引きずらい、関節に水が溜まるなどの症状があらわれます。

なぜ変形してしまうのか?

①Qアングル
膝関節を診るうえでQアングルというものがあります。
膝蓋骨の中心から脛骨粗面を通る直線と骨盤の上前腸骨棘を通る直線が交差する角度のことを言います。
Qアングルは正常で13度~18度といわれております。正常値よりも角度が少ないと膝が内反している、いわゆるがに股のようになります。
この状態で片足に重心をかけに行くと膝の内側に負担がかかりやすいので変形が起こりやすくなります。

②スクリューホームムーブメント
正常な膝関節では伸展するときに外旋、屈曲するときに内旋の動きをします。
変形性膝関節症の方では外旋、内旋の動きが減少してしまうのです。
膝関節は大腿骨と脛骨のつなぎ目の部分ですので、股関節や足関節に障害があると膝関節にも影響がでます。

なので股関節周りの筋肉のストレッチ、足関節のストレッチを行って膝関節を良い状態に保つことが大切です!

変形した関節をもとにもどすことはできませんが、さらに悪くなるような負担から膝を守ることはできますので、お身体のケアをしっかり行っていきましょう。

関連記事