症状

鵞足炎

鵞足炎(がそくえん)とは?

鵞足炎とは、鵞足と呼ばれる膝の内側の部位に炎症が起きているものを鵞足炎といいます。
鵞足とは縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの筋肉が付着する場所であり、ガチョウの足のように見えるため鵞足と呼ばれています。
膝関節の外反によって鵞足にかかる負担が大きくなります。
そのため、横方向への動きを多用するスポーツであったり、ランニングやキック動作で発症することの多い疾患です。

鵞足に付着する3つの筋肉の腱の役割は、膝の内側の靭帯をサポートすることです。しかし、どの腱も長さがそれほど長くないので、膝の靭帯をサポートするためには最大限にパワーを発揮する必要があるのです。なので膝に外反ストレスがかかりすぎると炎症を起こしやすいのです。

膝の外反ストレス

膝の外反ストレスはどのようなものかといいますと、くの字のように膝の内側が反対の膝に近づいておる状況で重心をかけると起こります。膝は真っすぐに伸びているのが正常なので、くの字の状況から真っすぐに戻ろうとする際に鵞足の部分に負担がかかります。

なぜ膝の外反ストレスが多くなってしまうのか、原因は様々ありますが、一つはお尻の筋肉がうまく機能していないことがあげられます。お尻の筋肉がうまく機能していない状態で歩行をすると膝が内側に入りやすくなるので外反ストレスが生じやすくなります。
その状態でランニングなどのスポーツを繰り返しているうちに、炎症を起こすのです。
外反ストレスだけが原因ではなく、内臓原因の関連痛の場合もあります。
特に腎臓、腸、尿生殖器と関連がありますので、お腹の調子が悪い方にも発生することもあります。

体幹機能の評価

スポーツ障害の治療および予防においては、体を合理的に動かす必要があり不合理な動きは局所に対するストレスを増大させ痛みを発生および助長しさらに、怪我が治る期間が長引くことにもなります。

股関節は足と体幹の連結部分であり、いかに連動して動いているのかをチェックすることが重要です。
①ASLRテスト
仰向けで片方の膝を真っすぐに伸ばした状態で、左右交互に足を挙げるテストです。
どちらかが重く感じたりするとバランスが悪いということになるます。
股関節の筋力に問題があるのか、それとも体幹の機能に問題があるのかを見極める必要があります。

②下肢伸展テスト
うつぶせになって膝関節を真っすぐ伸ばした状態で片足ずつ足を挙げます。
うまく挙げられない場合や、肩甲骨周囲筋に筋緊張がでてしまう場合は体幹の安定性が低下していることになります。

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